災害専門薬剤師の資格が創設される!?

薬剤師の専門資格に新しく災害専門薬剤師が加わる…という噂を紹介!まだ決定事項ではありませんが、薬剤師の仕事の幅がさらなる広がりを見せようとしているようです。薬剤師がDMATに加わる日も近い!?
薬剤師の需要は留まるところを知りません!現在、東日本大震災の経験を受けて、災害発生時の初動を担う専門薬剤師資格の創設が検討されています!

新たな専門資格が新設される!?災害専門薬剤師の必要性

2014年1月18日、日本災害医療薬剤師学会の第3回学術大会が開催されました。その中で、同学会副会長の増田氏は、災害対応に特化した薬剤師の必要性を訴えています。2011年の東日本大震災では、持病のある避難者も多く、そういった方々への対応について多くの課題が指摘されました。それを受けて、災害医療の現場に特化した薬剤師を育成すべきという意見が強まっているわけです。
現在、専門薬剤師資格には、がん専門薬剤師、感染制御専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師などが存在していますが、ここに災害専門薬剤師を加えようという動きですね。実現すれば、DMAT(災害派遣医療チーム)の編成に薬剤師が入るなど、活躍の幅が広がるかもしれません。

災害時における薬剤師の必要性とは!?

もしかすると“災害時に真っ先に必要なのは医師なのでは?”と感じるかもしれません。確かに、災害によってケガをした人、避難先での急病人に対応するためには医師が不可欠です。しかし、慢性疾患を持っている避難者にとっては薬剤師もまた、非常に重要性が高い人材といえます。支援物資として贈られてきた医薬品を活用したり、服用薬を鑑定したりするためにも薬剤師は不可欠だからです。
増田氏の意見によれば、災害発生から急性期にかけての初動を災害専門薬剤師のチームが担い、ある程度、状況が安定してきた後に薬剤師会の派遣するスタッフやボランティアに引き継ぐべきとのこと。確かに、事前に災害対応の専門チームを組織しておけば、早い段階で薬剤支援を行い、状況を立て直すことが可能になります。
現在、すでに北海道、静岡県、徳島県、高知県などで災害専門の薬剤師“災害薬事コーディネーター”育成が進められつつあり、災害専門薬剤師が制度として確立すれば、その流れが一気に加速することになるでしょう。
世間では“いずれ薬剤師が余る時代が来る”などと言われていますが、このようにあらゆる場面でまだまだ薬剤師は必要とされています。薬学部を目指している方は、安心して受験勉強に励んでくださいね!