薬剤師国家試験の難易度&傾向

2014年に行われた第99回薬剤師国家試験は、なんと合格率60.84%という結果になりました。2013年の第98回が79.10%、2012年の第97回が88.31%だったことを踏まえると、年々、10%以上も低下している計算になり、難易度が急激に上昇している印象がありますね。
もっとも2012年は、2006年に薬学部6年生がスタートしてから6年目にあたり、新卒者が生まれない空白の2年間が空けた直後でしたから、一時的な人材不足を補うためにはやや合格基準が落ちていたと見るべきでしょう。要するに、合格率がやや下がった今の状態が、今後のスタンダードとして定着していく公算が高く、当面は合格率6割前後で推移すると考えて対策しておいたほうが無難。
それでは、今後の薬剤師国家試験の展望、傾向について分析していくことにしましょう。

単純暗記から思考力への移行

今回、合格率6割、受験者1万2,019名中7,312名しか合格できなかったことを見れば分かるように、明らかに難化傾向を示している国家試験。実に4,708名が不合格になったわけですが、これは問題傾向の変化に対応できなかった受験者が多かったことを如実に示しています。
今回の試験では症候診断といって“薬局にやってきた人物の訴えから、薬剤師として適切な対応を考えさせる”といった問題が出題されていました。キーワードだけを覚えていれば即答できるような知識問題が大幅に減少し、知識に裏付けされた思考力を問う問題が増加したわけです。こうなると、試験前に集中して勉強するだけでは対応しきれず、6年間にわたって薬学知識を積み重ね、臨床への応用について考え続けた人でないと高得点を取るのは難しいでしょう。
また、漢方製剤の効能に関する問題も出ており、東洋医学、漢方医学など近年注目を集めている統合医療分野の知識も必要となりました。
これからは、東洋医学も含めた総合的な薬学を扱っており、さらに実習、臨床重視の薬科大、早期からの国家試験対策を掲げている薬科大が合格率を伸ばしていくのではないでしょうか。単純な偏差値、ブランドイメージに左右されることなく、真に試験対策が充実した大学を選ぶことが、どんどん重要になっていきます。

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