漢方薬学の知識があれば就職に有利!?

薬学部受験生に向けて、漢方薬学の重要度が増している現状について解説しています!現場で働く薬剤師にも漢方の処方を苦手とする人は多く、東洋医学に詳しい人材の需要はどんどん高まっています♪統合医療が注目されている今、漢方薬学のニーズが急騰中!?就職を有利にするために、現場で活躍できる薬剤師になるために、漢方を専門的に学んでみると良いかもしれません!

漢方薬学の知識が就職に役立つ!?

一般に医学、薬学といえば西洋医学の分野を指すのが普通ですが、最近は西洋と東洋の医学を融合した統合医療という考え方が広まってきています。統合医療では漢方をはじめとした東洋医学はもちろん、民間療法についても効果があるものは利用していく方向であり、簡単にいえば“治療効果が認められるものは全部使う”という意味合いです。
実際、アメリカでは4割程度の人が民間療法を利用した経験がある…と言われており、その市場規模は年々増大していると言います。日本でも2010年から政府として“統合医療を拡大していく”という方向性を鮮明に打ち出し、厚労相が民間療法の効果について専門的に検証を始めました。カイロプラクティック、太極拳、アロマテラピー、アーユルヴェーダなどなど、美容や健康に良いとされる民間施術は数多く存在しています。全文が全部とは言わないまでも、そのうちのいくつかが科学的見地から有効をされ、統合医療の中に組み入れられていく可能性は高いといえるでしょう。

統合医療の主役になるのは、やっぱり漢方医学!

ただ、民間療法の効果が認められ、医療に取り入れられていくのはまだ先の話。しかも、カイロやアロマといった直接施術系の技術は薬剤師の領分ではありません。そんな中“すでに高い効果が認められており、薬剤師の領域内にある”という2つの要素を満たしているのは、やはり漢方医学でしょう。
漢方は中国から伝わったもの以外に、日本で独自に発達した和漢という文化も存在しており、日本社会に広く受け入れられている医療。江戸時代の外科医、華岡青洲が考案した紫雲膏、中黄膏、十味敗毒湯といった漢方薬は今でも良く用いられていますね。この華岡青洲という医師は、チョウセンアサガオとトリカブト、トウキなどを調合した通仙散という麻酔を用い、全身麻酔下の乳がん手術を行ったことでも知られています。なんと、これは正確な記録に残っている中では世界最古の全身麻酔なのです。これだけの歴史、認知度を誇る漢方が、これから統合医療に主役になっていくことは間違いありません。
ちなみに華岡はオランダ医学と漢方医学の双方に詳しかったそうで、まさに日本における統合医療の祖といえる人物でもあります。
これから薬剤師を目指すのであれば、こうした情勢を受けて、漢方薬学についても積極的に学んでおかれたほうが良いでしょう。現在、国内では日本薬科大学、横浜薬科大学の2校に漢方薬学の学科、コースが設置されています。現場の薬剤師でも“漢方の処方が苦手”という方は多いそうですから、漢方の専門知識を持っている薬剤師が重宝されるケースはどんどん増えていくと思いますよ。