認定薬剤師ってどんな資格なの?

徐々に認知度が上がってきている認定薬剤師の資格について細かく解説しています。専門看護師との違い、資格がどんなふうに役立つか、などなど受験生&薬学生のうちから知っておきたい将来設計の基礎知識が満載!
将来的にチーム医療に関わっていきたいのなら、認定薬剤師を目指すという選択肢も!?

認定薬剤師について知っておきましょう!

最近、専門薬剤師や認定薬剤師といった認定資格の認知度が日に日に高まっているように思います。しかしながら、多くの人は「普通の薬剤師よりスゴイのは分かるけど、そもそも専門薬剤師と認定薬剤師は何が違うんだろう…?」といった疑問を思っているのが現状。
そこで、こちらでは認定薬剤師と専門薬剤師の違いも含め、皆さんの疑問を解消していきたいと思います。将来的に病院薬剤師として働きたいのなら、認定資格を目指すほうが絶対に有利!資格について詳しく知り、その上で皆さんの将来設計にお役立て頂ければ幸いです。

専門薬剤師と認定薬剤師の違い

これについては簡単に言えば“専門薬剤師→認定薬剤師→普通の薬剤師”という順番で専門性が高いのです。
認定薬剤師は一定の実務経験に加え、研修を受けたり学会に参加したりすることで認定要件を満たすことが多いですが、専門薬剤師になるためには論文提出などより厳しい条件をクリアする必要があるのが一般的。また、同じ分野に専門薬剤師と認定薬剤師が存在している場合、まず認定資格を得ておかないと専門資格にチャレンジできないことも多いです。

認定薬剤師の資格にはどんなものがあるの?

認定資格には15以上の種類がありますが、こちらでは仕事に繋がりやすい資格についていくつか紹介したいと思います。

・がん薬物療法認定薬剤師

薬剤師の実務経験5年以上で、認定試験に合格した薬剤師に与えられる認定資格です。がん薬物療法の知識に特化した薬剤師として化学療法のチームに参加することが期待されているようです。2009年の時点ですでに700名の認定者がおり、もっとも普及が進んでいる認定薬剤師でもあります。がん専門薬剤師へのステップアップも可能。

・感染制御認定薬剤師

実務経験5年以上で、認定試験に通れば取得可能です。消毒薬、抗生物質の扱いに長けた薬剤師であり、感染管理を行うチーム医療の中で力を発揮することが期待されています。2009年の時点で250名の認定者が出ており、比較的、普及が進んでいる資格。さらに知識、技能を向上させれば感染制御専門薬剤師へとステップアップすることもできます。

・認定実務実習指導薬剤師

薬学部が6年制となったことで長期実務実習が開始されました。その実習指導に当たる薬剤師が、認定実務実習指導薬剤師です。5年の実務経験および研修の修了が要件となっています。

その他にも、漢方薬・生薬認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、プライマリ・ケア認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師といった認定資格が存在しています。

認定資格を目指すにあたっての注意点

認定医や専門医、ならびに認定看護師や専門看護師の普及に伴い、薬剤師の認定資格が存在感を増してきているのは事実です。しかし、最近は認定資格が30以上に増えて乱立の様相を呈しており、中には取得したところで就職、給与に結びつかないような資格も存在しているのが現状。
例えば禁煙指導に関する認定資格などが一例で「禁煙指導に特化した薬剤師に特別な仕事が与えられるのか?」と考えると…正直、あまり期待できないでしょう。
もし認定資格を目指したいのなら、その資格が本当に仕事に結びつくのかどうかを良く検討した上で目指して頂きたいと思います。