薬学部が病院運営!?東北薬科大学病院の誕生

2013年4月1日に、東北薬科大が運営する東北薬科大学病院が開院したことについて紹介しています。旧東北厚生年金病院を譲り受け、日本初の薬科大付属病院が誕生したことは、薬学部の歴史における革命的な出来事の1つです!

薬学部が病院運営!?東北薬科大学病院とは

最近“薬剤師の権能を拡大するべき”“薬剤師をチーム医療に加えよう”といった話題を見かけるようになりましたが、中には「本当に実現するのかな?」と冷めた目で見ている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、そういったペシミストの皆さんでも薬剤師、薬学部の可能性をもう少し信じられるようになる、そんな心強いニュースを紹介したいと思います。
そう、2013年4月、全国初の薬学部付属病院である東北薬科大学病院が開院したというニュースです!医学部付属の病院は数え切れないほどありましたが、薬学部付属は初めて。これは薬学部の可能性が大きな広がりを見せている根拠の1つではないでしょうか。

東北薬科大学病院の意義

この東北薬科大学病院は、薬剤師が活躍する場として期待されている精神神経科、リハビリテーション科などを始め20を超える診療科目を設置した大規模総合病院です。もとは東北厚生年金病院として運営されていたのを東北薬科大学が買い取ったもの。
薬学部6年制が始まったことで長期実務実習が行われるようになり、大学の段階から薬剤師と医師、看護師の連携を図るための教育を施すことが可能になった今、薬学部が運営する病院の存在には大きな価値があります。医療従事者として密接に医療に関わる薬剤師を育てるためには、薬剤師育成を第一義に組織された医療機関の存在が不可欠なのは自明の理ですから。
実際、がんの化学療法などでは薬剤師の働きのほうが医師より大きい場合もありますし、これからは薬剤師がチーム医療の中心を担う機会も増えていくでしょう。チーム医療を牽引できる薬剤師を育成する機関として、これからどんどん存在感を増していくことは間違いありません。
実際、大学としても実務実習のモデル病院にしていく方向性です。これから薬学部付属の病院が増えれば、薬剤師の権能拡大がますます促進していくでしょう。