ネット販売に関する日本薬剤師会会長の会見

薬学部受験生に向けて、医薬業界の最新ニュースを提供!ネット販売を事実上解禁とした最高裁判決からもうすぐ1年となります。販売の可否が議題となった薬剤問題議員懇談会を受けて行われた日本薬剤師会会長、児玉孝氏の会見骨子をまとめました。
医薬品のネット販売をどうしていくべきか、という議題について薬剤問題議員懇談会で話し合いが行われました!ここでは総会を受けての薬剤師会会長会見の骨子をまとめています♪

いまだ激論が交わされる医薬品ネット販売の可否

最高裁判所が“医薬品のネット販売を禁じる”旨の厚生労働省令を違憲としたことで、再びネット販売が解禁となったのは記憶に新しいところです。しかし、その後も薬事法改正による再禁止が検討されたりと未だ結論を見てない、ネット販売の問題にわずかながら動きがありました。
政府自民党は10月27日に薬剤問題議員懇談会総会を開催。調剤報酬の問題に加え、ここでもインターネット販売の可否について意見交換が行われました。実際、話題の中心となったのはネット販売の行方で、多くの議員が強い関心を持って話し合いに望んだということです。
参加したのは議員懇談会の会員218名のうち162名。議員本人が出席したのは85名、代理人の出席が78名とのことでした。日本薬剤師会の児玉孝会長らが参考人として参加し、ネット販売の可否について議論が交わされたそうです。

ネット販売の行方は?懇親会総会を受けての児玉氏会見

日本薬剤師会の児玉会長は総会後の会見で「推進など誰も望んでいない。こだわっているのはネット業者だけだ」と表明した上で「ネット販売業者は安全性が担保されていない品目を解禁することで、最終的に医療用医薬品、処方薬のネット販売解禁を狙っている」との見方を示しました。
当初は第3類しか認められていなかった医薬品ですが、第2類と第1類も解禁となり、今では医療用と同じ成分のOTC医薬品もインターネットで購入できるようになっています。恐らく、薬剤師の仕事が減ってしまうことを危惧しているのでしょうが、今のところはネット販売する場合、事務所に薬剤師が常駐していることが必須となっていますが、今後も無制限な規制緩和が続けばどうなるか分かりません。薬剤師会としては、そうなる前に手を打ちたいのでしょう。
ただ児玉氏は「ネット販売など誰も望んでいない」とおっしゃっていますが、消費者が望んでいないならネット販売が流行することはなかったはず。薬剤師の権益を守りつつも、消費者の利便性を損なわないよう最大限の配慮をしてほしいところです。今後も、医薬品のネット販売がどうなっていくのか、目が離せません。