災害医療でも大活躍!薬剤師にできることって…?
薬剤師を目指している薬学部受験生に向けて、災害医療における薬剤師の必要性をレクチャー!受験のモチベ向上はもちろん、面接試験のネタとしても使える格好の話題ですよ♪今すぐチェックしておきましょう!
薬剤師には数々の業務がありますが、災害医療においても“薬剤師にしか出来ない仕事”がたくさんあります!ここでは薬学部を目指す皆さんに災害医療についての話題を提供♪
災害医療において薬剤師ができること
2011年3月11日の東日本大震災から2年半以上が経過しましたが、未だに被災地の復興が充分に進んでるとはいえません。そこで、今回は災害医療における薬剤師の役割について考えてみたいと思います。
災害発生時、最初の段階で重要になるのは医師です。トリアージを行い、処置を施して、患者の容体によっては近隣の災害拠点病院に搬送する…。これらは医師がいなくてはまず行えません。次に必要となるのは看護師でしょう。高齢者や負傷者、持病のある被災者を看護する人員がいなくては、被災地医療をスムーズに進めることなど不可能です。
ここまでは多くの方が理解されているでしょう。しかし、実際には次の段階で薬剤師が必要になるのです。入院するレベルにない負傷者、疾病者、持病のある患者を継続的に治療するためには薬剤師が調剤業務を行わなければならないのです。
被災地での調剤業務を円滑に行うため、どのような取り組みがなされているのでしょうか?
薬剤師の災害医療を円滑化するための取り組み
○モバイルファーマシー
これは宮城県の薬剤師会が開発したもので、移動販売車型の調剤薬局になります。要するに、車に薬局設備を積んで被災地に移動し、仮設店舗として調剤業務を行うということです。2012年10月にはプロトタイプが完成し、展示されるに至りました。
実用化できるまでにはまだまだ解決すべき問題があると思いますが、一刻も早い完成に期待したいところですね。
○災害後のボランティア薬剤師訪問
これは2012年11月に実施されたもので、全国の薬剤師が気仙沼を含む気仙地区を訪問、期限切れ医薬品の回収やお薬セットの配布を行いました。薬剤師の仕事は被災直後だけでなく、罹災から年単位の時間が経過しても終わらないことを如実に表しています。
3.11の震災ではボランティア薬剤師の力で最低限の業務を行えましたが、少しでも早く制度化し、長期的に被災地での調剤業務を行う人材を確保しなければなりません。今回のような大規模な震災であればボランティアも集めやすいでしょうが、中小規模の災害ではそうもいかないはず。善意、奉仕ばかりに頼らず、きちんと商業ルートに乗った正規のサービスとして拡充していくことが、確実な支援の第一歩です。