漢方薬学を扱う薬学部のススメ!

薬学部を受験するなら、漢方を扱う授業が充実している学校を選ぶのがオススメ!統合医療の推進によって、東洋医学に注目が集まる今、漢方の存在感は増すばかりです。薬剤師としての将来を考えるなら、東洋医学の知識も必須ですよ!
統合医療の推進により東洋医学に注目が集まる今、漢方を扱う薬学部の人気が沸騰中!?

高い注目を集める漢方薬

日本では医療、薬品と言えば西洋医学に関連するものばかりという時代が続きましたが、最近になって東洋医学が注目を集めています。

発端は1983年、京都府に明治鍼灸大学という鍼灸専門の四年制大学が置かれたこと。その後、90年代には"中西医結合"というスローガンが掲げられ、今でいう統合医療を普及させるための試みがはじまりました。

さらに2005年、文部科学省が"国際統合医科学研究・人材育成拠点の創成"というプログラムを採択。東洋医学を見直す動きはどんどん大きくなっていきました。

今では日本保管代替医療学会、日本統合医療学会といった組織が統合医療の研究を続けています。

2010年には当時の鳩山首相が「統合医療の推進」を表明し、ユナニ医学、アユールヴァーダ、気功、磁気療法といった医療について研究するプロジェクトチームが厚生労働省に発足。今では、西洋医学ではない健康法や治療法をひとくちに「非科学的」と評するような考え方こそ、時代遅れになってきています。

その中でも薬局、薬店で長らく販売され、多くの利用者がいた漢方薬は特に大きな期待を持たれています。洋の東西を問わず、患者主導の治療を確立していく統合医療を発展させる上で漢方医学が占める役割は非常に大きいでしょう。

また、日本は江戸時代の鎖国政策によって、漢方が本場中国とは異なる発展を遂げました。これを和漢薬などと呼びます。さらに薬事法によって西洋医学優性の時代が続いたことから漢方薬を科学的に分析していたことにより、有効成分を科学的観点から組み合わせた日本式の処方も増えました。今では、本場中国から日本独自の漢方を求めてやってくる人も多くなっており、漢方が日本の輸出産業となる可能性もあるのです。

これから薬剤師を目指すのであれば、西洋薬だけでなく漢方をはじめとした東洋の薬についても知識を深める必要があるでしょう。

漢方薬学の学科、コースを設置している大学

残念ながら、まだ漢方を専門的に扱う学科を保有している薬科大学は非常に少ないです。日本全国でも横浜薬科大学漢方薬学科、日本薬科大学漢方薬学コースの2ヶ所だけではないでしょうか。

ただ、いずれも首都圏の大学なので、他のエリアにお住まいの方が進学を検討するのは現実的ではないかもしれません。

その場合"生薬学""薬用植物学""天然物化学"といった講座が設置されており、そのための研究室を置いているような大学を選ぶのも良いでしょう。学科としては存在していなくても、漢方関連の授業を扱っている大学は一定数存在しています

もし北陸にお住まいであれば和漢薬研究所を保有する富山医科薬科大学、関西在住なら漢方薬の研究室を持っている近畿大学薬学部も良い選択肢ではないでしょうか。